コラム
Topics
はじめに
~それぞれのお店の特長やコンセプトに合わせて~
人それぞれパワーストーンを探す目的や過去の経緯が異なるため、その人に最も合ったパワーストーンショップを選ぶことが大切です。
中には悪徳な販売をしているケースもありますが、法整備がされた現在は実店舗・インターネットショップを問わず良いお店はたくさん存在します。
水晶工房も独自のコンセプトをもったショップの1つと自負していますが、当店以外にも素敵なコンセプトをもったお店は数多くありますので、 ぜひ自分の目的に合ったお店を探しましょう。
ただし、店によって生じる価格差・品質差についてはなかなか解かりにくい部分だと思います。お店を選ぶ1つの指標として、「価格差・品質差が生まれる理由」 について、専門家の意見を踏まえたコラムを紹介させて頂きます。
Column #01
共通の疑問
~天然石・パワーストーンショップの選び方~
天然石のもつ様々な潜在能力が世界的に注目されているだけに、 取り扱うショップの数もここ2~3年で急激に増えてきました。 消費者としてどのような基準で店舗選びをすれば良いのでしょうか。 価格差と品質差が発生する理由についてはパワーストーンを購入される人の多くが疑問に思うことですが、 店舗側は説明をしてくれない 一番見えにくい部分と言えます。一緒にこの疑問について考えてみましょう。
疑問
天然石やパワーストーンのお店は数多くあって、それぞれ商品価格もバラバラであるため、どこでどのように選んでいいのかわかりません。
なぜパワーストーンは店によってこんなに価格差が生じるのですか?
答え
パワーストーンの「店舗間価格差」が生じる理由はいくつかあります。
消費者としてはある程度、天然石の流通事情を理解した上で判断をされると良いでしょう。
以下、詳しくその実態を説明致しますが、お時間のない方は本文最後の「パワーストーンショップを選びための12のポイント」だけでもぜひ参考にされて下さい。
Column #02
運営コスト
~運営コストの違い~
これはすべての産業に言えることですが商品の価格は運営コストがそのまま反映されます。 天然石も宝石の一種として扱われますので、店のディスプレイや人件費にコストをかけざるを得ません。 例えば都内の商業地や商業ビルに店舗を構えた場合、もともと天然石は店舗スペースと多大なバックヤードを必要とする業種ですから、 一等地であれば月間50~200万円ほどの賃料が発生していることは容易に想像できるでしょう。
その上、人件費や宣伝費、光熱費、通信費、倉庫管理費・・・など天然石の仕入以外にかかる費用はかなりの額に上ります。 そのためすべてのショップが当てはまるわけではありませんが、基本的には一等地や観光地の方が商品価格を高く設定せざるを得ないという実情がございます。
もちろん薄利多売が成立している店舗は運営が成り立ちますので、それなりに売れていて、過剰に人件費を掛けていない店舗であれば安い価格設定も可能となります。 立地・売れ行き・スタッフの数が大きな判断基準と言えるでしょう。
Column #03
店舗形態
~通販ショップと実店舗販売の格差~
一方、インターネット通販専門ショップは上記のような運営コストは比較的低く抑えられます。
日本の産業で最もコスト比率の高い人件費と賃借料(2大コスト)が大きく削減できるのですからその点は有利と言えるでしょう。
しかし、通販専門ショップは実店舗のような「通行人」がいませんから、ホームページの宣伝に費用をかけなければなりません。
ホームページによる販売は店舗と比べて運営コストがかからない一方で参入がしやすいため競争が激しいですから、 目立つところにホームページへの誘導口を作らなければならず、その仕掛けにはそれなりのコストがかかります。
もちろん宣伝費は販売数に比例していますので、「宣伝をしている店=販売数が多い店」という法則も当てはまりますが、 参入業者が増えて宣伝費の方が超過傾向になった場合にはその分が商品コストに上乗せされるという傾向があります。
過剰な宣伝をしているショップはその分価格が高く設定されていると考えて良いでしょう。
Column #04
通信販売店
~通販ショップにおける天然石の価格差~
本題の「天然石の価格差」に話を戻しますと、通販ショップの場合には店舗ショップのようには運営コストの差が見えにくいため、 ある程度年数が経った、いわば「老舗」店舗の方が無難といえるかもしれません。宣伝コストをかけて一時的には売上げが上がるかもしれませんが、 経済学的見地からしますと、いずれ産業は適正な価格・適正な宣伝費に収斂(しゅうれん)される傾向にあるためです。
価格設定を高くしている店舗、また低く設定し過ぎている店舗は、それぞれ宣伝費や管理費の掛け方が異なりますから相対比較はできませんが、 重要なのは「その価格設定で長い年月運営を維持ができているか」という点となります。
インターネットの世界で老舗と言っても、インターネット通販自体が歴史の浅い媒体であるため創業30年、50年という店舗を探すことはできませんが、 長く営業をしているショップはそれだけ価格や宣伝費が適正価格に落ち着いてきていると判断することができます。
また運営体力がない店舗は廃業をする可能性もありますからサポート体制という意味合いでは老舗店舗の方が安心感があります。
尚、ネットショップと店舗ショップの両方で販売をしているショップは、店舗ショップの価格設定に依存しやすい傾向がありますので注意が必要です。
Column #05
仕入先
~仕入先の選定の違い~
運営形態(店舗・通販)以外の「天然石の価格差を生じさせる要因」は「仕入」に関連する環境の違いが大きいと言えます。
ショップが契約をしている「仕入先(仕入業者・卸業者)」には得意としている石と不得意としている石があり、不得意としている石は仕入価格が高くなる傾向があります。
パワーストーンは種類によって産地が異なりますので、本来は仕入先を複数ルート持たなければ効率的な仕入はできません。
しかし少しの量で数多くの仕入契約をすることは難しいため、非効率ではあっても総合的に仕入価格が安い仕入先と契約をせざるを得ないのです。
現地で買い付けをしてコストを抑える会社もありますが、すべてのパワーストーンを現地調達しますと10カ国以上も旅行?しなければなりません。(もちろん旅費はコストに反映されます。)
そのため全体的に高めに価格設定しているショップでも、ある商品だけは割安ということもあり得ます。
もちろん宣伝用の目玉商材としている場合もありますが、たまたま仕入先が得意としている石だったため、安く価格設定できたというケースもあるのです。
Column #06
仕入量
~仕入量の違い~
やはり産業全般に言えることですが、大量に仕入れることで単価コストは安く抑えられます。 そのためある程度売れているお店で購入する方が安く手に入れることができるということになります。
ただし、仕入量の多いショップであってもすべての種類のパワーストーンを大量に仕入れているわけではありません。
やはり売れ筋商品は多く仕入れますが、マイナーなパワーストーンは少量の仕入となりますので単価も高くなります。
また大量仕入をしている大きなショップだからといっても、宣伝費や人件費、店や倉庫の賃料等に経費がかかっている ところは必ずしも商品価格が安いわけではありません。
一般的には、取り扱う石の種類が多ければ多いほど経費がかかるため全体的な価格設定が高くなる傾向があります。
一部のマニア用に用意したマイナーなパワーストーンをたくさん取り扱っているショップはその傾向が強いと言えます。
Column #07
品質
~日本人の品質への過剰反応~
実はこれが最もパワーストーンショップを悩ませている価格高騰の要因と言えます。
パワーストーンはご存知のとおり「天然石」です。 長い年月をかけて自然が作り出した奇跡の産物とも言えるでしょう。
しかし天然であるが故に様々な模様や内包物があります。 むしろ、無い方が不自然と言ってもいいかもしれません。
欧米では石がもつ1つ1つの特徴を前向きに受け入れ、愛する姿勢ができあがっています。
手元に届いた石、たまたま手に取った石を「ようこそ!」と受け入れ、石への感謝の気持ちを強くもっています。
「小さな傷がある石だけど、私があなたを心込めて育ててあげるから安心してね。」とか、
「傷がある石だから買われずに売れ残ってしまう可能性があるわ。あなたを見かけたのも何かの縁だから私の家へいらっしゃい。」 といった感情をもつ人が多いのです。
やはり宗教的な考え方の違いもあるでしょう。 ボランティアやハンディキャップへの気持ちの持ち方などがすすんでいますし、「受け入れる」ことに対して寛容な気がします。
Column #08
過敏な日本人
~物に敏感な日本人~
一方、日本人は小さな傷や僅かな汚れでも見逃しません。ちょっとでも欠陥があると一転して価値を見出さない傾向があります。
そのため内包物のない100%クリアな天然石ではないとすぐに返品やクレームが発生してしまうため、ショップ側は僅かな傷にも神経質になります。
とにかく日本人は他の人と比べて劣った条件を受け入れることを強く拒絶する民族だと言われています。 傷のない石を買った人が1人でもいる以上、自分も同じ条件ではないと受け入れません。
当然ショップ側は管理方法や梱包に気を使うだけでなく相応のコストをかけなければなりません。そもそも仕入の段階で世界一品質を要求するのは日本の業者です。
もともと品質へのこだわりが少ない仕入元は、「まったく日本人はクレージーだ・・・」と言っているかどうかわかりませんが、 取扱業者の理解を超えた要求を受けているため、価格を高くして何とか対応をしようとします。 できないことをさせようとすると想定以上のコストがかかってしまうのです。
逆に、最初にたくさんの量を仕入れてその中で商品として使うことのできる石をピックアップするという工程を組んでいる卸業者やショップもたくさんあります。
しかし、欠損率(全体の中で使用できない商品の確率)が非常に高く、在庫の保管費用を含めてやはりコストが商品に反映されてしまいます。 また、天然石は偽物の方が本物らしく見えるものです。
現に日本では数多くの「偽物パワーストーン」が流通しており、本物よりもずっと売れています。
ただし偽物だから安く仕入れているかと言いますと実はそうではなく、需要に合わせて取引価格が上がっているため、「高い=本物」というわけではありません。
(そもそも本物か偽物かの判断ができない業者が多いのも事実です。)もちろん「安い=偽物」ということも必ずしも言えません。
しかし、充実したクレーム・返品対応、アフターフォローなどにコストをかけているショップはそれだけ商品価格が高く設定されます。
安いからといって対応が不十分というわけではありませんが、「粗悪品でもまずは売ってみて、そのままクレームがなければラッキー」という考えのところもあるでしょう。 このような消費者ニーズへの対応方法によって価格差が生じているということになります。
Column #09
付加価値と価格差
~付加価値におる価格差~
天然石は品質によって仕入価格が大きく異なるため、品質が良ければ良いほど価格はそれに比例して高騰していきます。
しかし、品質に特に敏感な日本のマーケットでは、高品質であることを付加価値にして価格を高めに設定するケースもございます。
天然石はダイヤモンドのような世界共通の品質基準がないため、AAAやAAAAなどAをいくつもつけて高品質を表現する例がありますが、 実際、採掘地ではAA以上の品質表記はしていない事実を見ますと、基準がかなり曖昧となっております。
また天然石はパワーストーンとしてまだまだ解明されていない秘めた能力が隠されているだけに、その「パワー」を過剰に付加価値としている例も見受けられます。
例えば「パワーを入れた天然石」や「波動を整えた天然石」という表記がその例となります。
もちろん天然石の潜在能力については否定しませんが、本来、天然石は純粋無垢な状態で手に入れて愛用者本人が育てていくもの、あるいは家系を絶やさないために代々受け継がれるものとして使われてきました。
他人の使った宝石で不幸を招いたという例もあることから、 他人の手(意)を加えた天然石が本来の姿かどうかは疑問が残るところです。
もちろん、「パワー」という付加価値も購入判断の基準ではありますが、 やはり法外な価格設定をしているものは疑ってみる必要はあると思います。
Column #10
店舗と通販
~店舗と通販の違い~
「パワー」の話になりましたので「相性」についても触れましょう。
よく「パワーストーンは相性があるから、触って確かめたほうが良い」という話を聞きますが、不特定多数の人が触って、人の多い中でディスプレイしている状態と、 人に触れる回数が少ない通販店舗の管理状態を比較しますと、「天然石=人の気を吸収しやすい物質」であればなおさら、後者のリスクが少ないと考えられます。
霊感の強い人であれば、雑踏の中で気持ちを落ち着けて自分に合ったパワーストーンを見つけることができるかもしれませんが、 ほとんどの人が大勢の人のいる中で短時間でパワーストーンとシンクロすることは難しいですから、総合的に判断をしますとそもそも人の影響を受けにくい 「通販ショップ」の方が低リスクと考えられます。
ただし販売数が少ない店舗では在庫の保管期間が長いケースも考えられ、サポート体制が不十分なショップ の場合には返品商品が多く発生するケースも考えられます。 それらを踏まえて総合的に判断をされると良いでしょう。
Column #11
まとめ
~判断の基準~
卵や牛乳のように全国でほぼ価格の決まった商品と違って、天然石・パワーストーンは消費者の手元に届くまでに様々な 「価格差を生じさせやすい要因」があることがわかりました。 そのため、天然石の価格に絶対値を付けられないため、 高いショップ・安いショップそれぞれ、その価格を設定している適性理由があるかどうか、で判断をせざるを得ません。
上記で触れました、
- 店舗の運営費の差
- 仕入方法の差
- サポート体制の差
を基準にして、それぞれ店舗の値頃感を感じ取らなければなりません。
実店舗から買いたいという場合には、店舗運営費をきちんと反映させた適正な価格設定になっていることを確認する必要があり、 通販で買いたいという場合には宣伝方法 (宣伝費の使い方)をきちんと反映させた適正な価格設定になっていることが条件となります。
当然同じものを安く買いたいという場合には、それらのコストを過剰にかけていないショップを選ぶことが重要でしょう。 天然石・パワーストーンのように価格差が大きい商品を購入するときは、「消費者としての特殊な目」で見渡す力をぜひとも身に着けてほしいと思います。
パワーストーンショップを選ぶ12のポイント
~パワーストーンショップを選ぶ12のポイント~
あまり具体的に述べますと特定の店舗の宣伝をする記載となってしまいますので、最後に12のポイントだけ挙げたいと思います。
- 実店舗の場合は店舗コストや人件費に見合った商品価格の店を選ぶ(コスト面では通販ショップより不利であるため、常に混雑している老舗店舗を選ぶ方が○)
- 通販ショップの場合、経営年数が短い店舗、過剰な宣伝をしている店舗は注意が必要。(価格の安すぎる店舗は偽物や倒産品・質流れ品の可能性もあり)
- 「客数の少ない実店舗」と「宣伝・露出が少ない通販ショップ」も在庫管理・サポート体制で不安があるため避ける(返品商品の再利用をしているケースもあり)
- 得意な仕入商品をアピールし、店舗の特徴をしっかりと示している店舗を選ぶ(「何でも得意」は要注意)
- 商品の種類が多すぎる店舗は在庫管理に不安がないかきちんとチェック
(ニーズ対応・仕入力のアピールのため希少な石を展示している店舗は他の商品にコストが上乗せされる可能性あり) - 天然石やパワーストーンの専門店を選ぶ(雑貨や他のサービスに便乗をしていないかチェック。仕入力に不安があり専門家がいない場合がある)
- 修理サポートの体制がしっかりと取れている店舗を選ぶ
(修理を受け付けない店舗は論外だが、何年も無料サポートをしたり、長期間クーリングオフをするケースも店舗運営上不自然) - デザイン性やアクセサリー色を強くすればするほど作業料が反映されて価格は高く設定されやすい。(パワーストーンの役割に合った形状のものを選ぶ)
- 人の心理に付け込んだ非科学的な付加価値を強調している店舗に注意
(パワー注入や占いでセレクトなどの付加価値を売りにしている場合はきちんと利用者の声を確認) - 「お客様の声」はいくらでも増やせるもの。お客様の声を頼りにするのは危険(実筆や音声などあらゆる方法が見受けられるが、そのまま鵜呑みにしないこと)
- ネーミングに惑わされないこと(ネーミング1つで商品のイメージは変わります。高級感を出して価格を高く設定するケースもあるので注意)
またグレードや品質を必要以上にアピールする店舗も注意(パワーストーンは天然のそのままの姿が一番が原点。見た目を美しくするために人の手が加わっていることを忘れない) - 「運気が上がります」という記載には注意。パワーストーンは運気を上げるアイテムであることは確かですが、 身に着けて何もせず棚ボタ式に良いことが起こるわけではありません。
きちんと「運気」と「パワーストーン」との関係について説明をしているサイトを選ぶこと
※具体的なパワーストーンの選び方については→こちら
Column
補記
~補 記~
「人工で作りやすいパワーストーン」
コラムで触れたとおり汚れのない輝く色彩と光沢の天然石が好まれる日本市場では、人工のパワーストーンが流出する条件が特に揃っています。 技術の進歩とともに特殊な機材を使わないと天然・人工の判別ができないだけに、信用ある店で購入をしなければなりません。 以下、個人では判別がしにくいパワーストーンについて紹介致します。
●ラピスラズリ・・・マグネサイトやハウライトに着色をしてラピスラズリと似た天然石を作り出すことができます。 またラピスラズリ自体、染料が染み込みやすい性質であるため色彩で品質を判断するのは難しいと言えます。
●シトリン(黄水晶)・・・低品質のアメジストを熱処理および放射線照射することで、黄色に変色し、天然シトリンと見分けがつかない状態をつくることができます。 天然の黄色は特定の条件が揃って初めて出る色彩であるため、採掘量はそれほど多くありません。
●レッドタイガーアイ(赤虎目石)・・・本来の黄色タイガーアイを酸化させ、さらに熱処理することでレッドタイガーアイを作り出します。 ブルータイガーアイは天然のものが多いですが、染料で着色されるケースもあります。
●スモーキークォーツ(煙水晶)・・・透明水晶にガンマ線を放射して着色します。 完全天然のスモーキークォーツは極めて産出量が少ないため滅多に流通していません。
●黒ルチル・・・ルチルの色彩変化であるケースは稀で、ルチル鉱ではなく、トルマリンの繊維が混入したものがほとんどです。 また緑ルチルも同様。金ルチルは天然のものが多いが、あまりにも周囲の水晶が透明で、ピカピカの金針が入っている場合は人工の可能性もあります。
その他、樹脂を注入してヒビを消したり、染料で着色されるケースはありますが、天然石としての様々な効果に変化がない例がほとんどです。